教育資金の一括贈与について 平成25年11月5日

ご承知のように現金や有価証券などを子や孫に贈与する場合は、年間110万円(時価)までは贈与税は課税されません。

 ところが、この金額を超えても、親子、夫婦など扶養義務者相互の間で生活費のほか教育費に充てるための贈与で通常必要と認められるものは非課税とされています。

ただし、貰った人が生活費等に使用せず預貯金にしたり、株式に投資したりするとその分は課税されることになっています。

 したがって、教育資金であっても父母・祖父母が必要以上に数年分をまとめて贈与し、貰った子や孫がその残余金を預貯金にしておくと税法上は課税対象になるわけです。必要な都度贈与すれば問題ないのですがそれが面倒でした。

 しかし、先般の税制改正で解決しました。この制度は、税法上「直系尊属(父母や祖父母・曾祖父母など)から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」として本年4月からスタートしています。

 その概要は、平成25年4月1日から27年12月末までの間に、30歳未満の人(金銭を貰う人=贈者(受益者)といいます)が、その祖父母等(金銭を贈与する人=委託者といいます)と銀行・信託銀行・証券会社等(金銭を預かる機関=受託者といいます)との間の教育資金管理契約に基づき、書面で金銭の贈与を受けて、受贈者が預貯金等の口座を開設した場合、1,500万円(習い事など学校以外の教育資金は500万円)までを限度に非課税とされるものです。

 金融機関では、一般に教育資金贈与信託と呼ばれています。

この制度は、家計資産の約六割を60歳以上の高齢者が保有していることから、その金融資産を若い世代へ移転活性化させ、併せ教育の充実を図ることを目的としています。
制度成立当初は、もともと教育資金は非課税だからその効果が疑問視されていましたが、今では信託銀行等で静かなブームとなって利用されているようです。

 これは、平成27年から相続税の基礎控除額が引き下げられ課税強化になるため、特に祖父母の相続対策になるからではないかと考えられます。

 孫(子)の立場で考えると父母、祖父母全部入れると最大で6人(両親とその両親それぞれの両親)から贈与を受けることができ、おねだりしやすくなっています。

 老後資金が必要なおじいちゃん、おばあちゃんにとっては、虎の子の資金です!
 贈与もしたいところですが、自分達の生きがいづくりのためにも有効に使いたいものです。

なお、贈与を受ける孫や子が、大学院などに進み留年したりして30歳になると管理契約終了となり、残余金は贈与税の課税対象となりますので留意が必要です。

 仮に、受贈教育資金が30歳を超えた時点で300万円残っていたら、贈与税は19万円(注)です。子や孫である受贈者としては、贈与税を支払っても手取り額は281万円ですから活用は可能です。
 (注)
 300万円-基礎控除額110万円=190万円  190万円×税率10%(課税価格200万円までは10%)=19万円