家族信託について  平成26年8月3日

 ちょっと目新しい用語ですが、高齢社会を背景に最近関心が高まっていますので確認してみま
しょう。
 

家族信託とは、一言でいえば「自分を含め家族がいざというときに困らないように銀行等に信託し準備しておく制度」です。通常は預金として一定額を預けておけば何の問題もないのですが、いざ自分に万一の時、家族が必要なお金を使いたくてもすぐに引き出せませんし、誰にいくら渡すかも決められません。一定の面倒な相続手続きによらなければ処理できないことになっているからです。

これらの不便を解消する方法として信託を活用する人が増えています。

少し硬い話になりますが、信託とは、信託銀行等との契約、遺言または公正証書等の意思表示により「特定の者が一定の目的に従い財産の管理または処分およびその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう」と定義され、財産は金銭的価値に見積れるものすべてが含まれます。したがって、有価証券、動産、不動産なども信託できるわけですが、家族信託は金銭の信託です。

 信託の定義にしたがえば、特定の者とは自分である委託者が、一定の目的とは家族である受益者へ一時金や年金として交付すること、必要な行為とは銀行である受託者と信託契約を締結することということになります。

 信託金は金融機関により異なりますが100万円以上からとか、信託期間も委託者死亡時までとか一定期間の定めがあるところもありますので確認が必要です。委託者死亡時の受取人は相続人になります。

 ネーミングも、家族信託、家族安心信託、家族思いやり信託、家族リレー信託などと呼ばれていますが商品仕組みは原則各社ともほぼ同じです。

 通常の金銭の信託は、金銭を一定期間預け運用するものですが、家族信託はその金銭信託に特約を付けますので「特約付き金銭信託」とも呼ばれます。 

以前シニアの窓②で紹介しました「教育資金贈与信託」も特約付き金銭信託でこれもかなり利用されているようです。新聞報道では、信託協会統計で本年6月末で約76千件超、5,193億円になっているようです。

 一般に相続対策としての財産承継方法としては、遺言書を作成することで目的は達せられますが、自筆証書遺言は民法規定に従わなければならず公正証書遺言は費用がかかるなど、いざ作成となるとおっくうになるものです。
 その点この家族信託を利用すると、銀行に預けている預金を活用して、自分が元気なうちは年金式に使い、万一の時は残余金を配偶者または家族の一員が年金または一時金で受け取れるような特約を付して、受託銀行と信託契約を締結することで遺言と同じ効果を得ることができます。これは「遺言代用信託」とも呼ばれ家族信託のひとつです。

 平成27年から相続税の「遺産に係る基礎控除額」が減額となり(3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算した金額)、相続対策も重要な課題となりました。

十分研究してみてください。