登記事項証明書について 平成26年11月29日

不動産は、売買、贈与等で権利者となるとき、登記所に「所有権移転」の登記申請を行うことにより、登記完了後、登記完了証とともに、従来の「登記済証(権利証)」に代えて現在は「登記識別情報通知」という書面が交付されます。この書面には、不動産登記法の改正により、平成207月末までにすべてオンライン化されて、目隠しシールで保護された12桁の英数字の「登記識別情報」が記載されています。

法改正(平成16年)前に権利を取得した人は「権利証」をお持ちと思いますが、無効・不要になったわけではありません。いわゆる権利証は、縦書き方式の、標題が「登記申請書」以下申請人名、不動産の表示等の記載があり、後部に権利を証するため、「日付・番号・登記済・法務局印」がワンセットになって朱書押印がなされているものです。

「登記事項証明書」とは、従来の「登記簿謄本」に代わるもので、登記所(法務局・地方法務局・地方法務局支局・同出張所)に登記記録されている全部または一部を証明したコンピューターで作成される書面で、後部に証明認証文言と日付、取扱い登記所名、登記官名および押印があります。

記載項目は、表題部(土地の表示、建物の表示)、不動産番号(13桁の数字)、権利部(甲区)、権利部(乙区)、共同担保目録欄などです。甲区は所有権に関する事項が記載され、仮登記や差押等の時もここに記載されます。乙区は所有権以外の権利に関する事項が記載され、地上権、抵当権、賃借権などが記載されます。

不動産売買や抵当権設定などで必要なときは、この「登記事項証明書」を取り寄せて確認することになります。登記事項は不動産登記制度で一般に公示されていますので、他人の不動産についても、不動産番号または物件の地番等明細が分かれば、他の法務局管轄分でも最寄りの法務局出張所などで、窓口・郵送・オンライン等の方法により「登記事項証明書」を取り寄せることができます。

登記の効力は、登記しなければ第三者に対抗できないことです。たとえば、土地を購入したが未登記のままのとき、売主が第三者に二重に譲渡し、第三者が先に登記するとこれが優先し、自分に所有権があることを主張できなくなります。登記に対抗力があるからです。また、登記事項は真実とされる推定力があります。

 しかし、不動産登記には公信力が認められていません。たとえば、売買において、登記されている人を真実の所有権者と信じて取引したが、後日、実は偽造による登記名義人だったとわかっても法的には保護されず、真実の権利者から返還を求められる恐れもあります。不動産取引に当たっては、登記事項証明書上の権利者が真実の権利者かどうか、固定資産税の納付状況の確認や物件の現地調査、確認など十分な注意が必要になります。    

<参考>

不動産登記法上、主な用語の意義は次のようになっています。

・登記記録 表示に関する登記または権利に関する登記について、1筆の土地または1個の建物ごとに表題部および権利部に区分して作成される電磁的記録をいう。

・登記事項 不動産登記法の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。

・登記簿 登記記録が記録されている帳簿であって磁気ディスクをもって調製するものをいう。

・登記識別情報 登記名義人自らが登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。

 <全部事項証明書見本(抜粋)>