マイナス金利政策について
平成28年4月28日

 日銀のマイナス金利導入から早や2か月が過ぎました。新聞やテレビの報道では、普通預金の金利が0.001%に、住宅ローンの金利は0.5%まで下がりました、国債の金利がマイナスになり、特定金銭信託の未運用現金には手数料が課されるなどとの記事が目につきます。どういうことでしょうか。

★この政策は、マイナス金利付き量的・質的金融緩和といい、2%の物価安定目標の早期実現を目的として、129日の日銀政策委員会・政策決定会合で導入を決定し、216日から適用されています。その内容は、市場の通貨・日銀当座預金を増加させる量的金融市場調節、長期国債、ETF(上場投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)などの買入れを増やす質的政策で、物価安定実現までに、「量」「質」「金利」3つの次元で金融緩和措置を講じるというものです。

★このマイナス金利の適用は、具体的には日銀が銀行・信用金庫・農林中央金庫・生命保険会社などから預かっている当座預金の一部に0.1%の金利を取るというものです。これまではもらっていた金利を反対に取られることになったわけで、銀行等は、その対応に四苦八苦しているのです。前記の金融機関は、準備預金制度に関する法律により預金残高の一定の割合を中央銀行(日銀)に預け入れることになっているのですが、余分な金は預けるなというわけです。

マイナス金利の効果はどうでしょうか。銀行等は。日銀に預けて金利を支払うぐらいならそのお金は他に回そうとなります。余ったお金は、金利を安くして住宅ローンや自動車ローンに回せば、個人は家や車を買ってくれる、企業も設備投資を増やし景気が良くなると日銀は期待しているわけです。
 金融機関の間で一時的な資金の貸借を行うコールローン(コールマネー)がありますが、先般これもマイナス金利が生じました。金利は0.05%ですが、日銀に0.1%払うよりトクなので取引が成立したのです。
 普通預金金利が0.001%とはどのくらいの価値でしょうか?100万円の預金なら利息はなんと年間で10円です。これなら時間を割いて預けに行くより手元に置いておこうと考えます。このように考える人が増え、タンス預金用の家庭用金庫が結構売れているそうです。

最近の動きを見てみましょう。住宅ローンは、借り換えが急増しているそうです。一方、新規ローンがほとんど増えていないと言うことは、住宅価額が上昇しているからと思われます。
 一般に、借り換えを検討できるのは、残存期間10年以上、残高1,000万円以上、金利差1%以上のときといわれていますので、条件に該当すれば借り換えメリットは享受できます。
 証券会社の商品では、中期国債ファンドやMMFと呼ばれる商品が資金の運用難から販売中止されています。

個人の対策としては、マイナス金利の目的が株高、円安方向を目指していることを考え、預金金利がマイナスに近付いている折、これに沿った投資が必要となります。具体的には、国債の他、元本保証はないが、外貨預金(通貨交換手数料が必要)や株式、J-REITなどに研究の余地があります。
 総務省統計局の調査では、高齢無職世帯の家計は、毎月6万円の赤字で預金取り崩しや退職金等でカバーしているとなっています。リスクは抑えなければなりませんが、マイナス金利下においては、利回りをチェックし、NISAやジュニアNISAなどの活用も有効でしょう。 

(参考文献)

1.NHK NEWS WEB情報 2月~3
2.日本銀行法
3.日本銀行ホームページ 金融政策
4.準備預金制度に関する法律
5.総務省統計局 世帯層別家計収支(平成26年度)