改正健康増進法について

2020年6月20日

 皆さまには、新型コロナウイルス対策はもちろん日ごろから健康には十分ご留意され・さらなる健康増進に努めておられることと思います。 新型コロナ対策は、国、県、市、医療機関ほか一体で感染防止対策を推進し、抑制に努めていますが、この機会に身近な日常生活にも関係する改正された健康増進法の中身を確認しておきたいと思います。 今回の改正の目玉は、望まない受動喫煙を防止することを目的にしたものです。マンションでも近年多くなっているタバコの煙によるトラブルや吸殻による火災など、これらを未然に防ぐこころがけが求められています。 この法律は平成14年に制定されていて、平成30年に一部改正が行われ、本年4月1日から全面施行されています。

1.健康増進法の目的・責務(第1条〜3条)

 目的は、「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図る。」とされ、国民の責務として、「健康な生活習慣の重要性に対し関心と理解を深め、生涯にわたり、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努める。」と規定、さらに、国及び地方公共団体の責務として、「健康の増進に関する正しい知識の普及、情報の収集・整理・分析・提供、研究の推進、人材の育成・資質の向上を図るとともに、関係者に対し、必要な技術的援助を与えることに努める。」となっています。

2.基本方針等

 健康づくりの理念となる基本方針は、第7条に規定されており、健康の増進の推進に関すること、市区町村の健康増進計画の策定に関すること、事業実施者間の連携及び協力に関すること、食生活、運動、休養、喫煙、飲酒、歯の健康などの生活習慣に関する知識の普及に関することなどが定められています。

3.健康日本21(第二次)運動について

 基本方針の理念に基づき、平成24年に、目標期間、目標数値を具体的に策定、推進している厚生労働省の健康づくり運動で、平成30年に中間評価が行われ、令和3年に最終評価(53項目あり)が行われることになっています。


  <平成30年の中間評価結果一部ご紹介>                                          
   基本的な方向   改善されているものの項目    達成% 変わらない
健康寿命延伸等 ・健康寿命延伸と健康格差縮小 100
  生活習慣病予防
・がん検診率増加と死亡率減少 50 ・脂質、メタボ減
  社会生活上必要機能の
維持向上
 
・メンタルヘルス措置職場増加
・小児科医等の増加
・足腰痛のある高齢者割合減少
58 ・適正体重の子
・高齢者社会参加
・介護保険利用者
健康を守る社会
環境整備 
・企業、民間団体の健康づくり 取組み、
・運動環境整備取組自治体数
80
食生活・身体活動、休養、
飲酒、喫煙健康を守る、
社会環境整備 
・食塩・脂肪低減取組み企業、
 飲食店登録数の増加
・運動環境整備取組自治体数
・60時間以上労働者数減少
59 ・適正体重維持
・歩数・運動習慣
・飲酒量
 

4.改正健康増進法ポイント

(1)喫煙をする際の配慮義務(第27条)
 第1項で「何人も特定施設(公共施設、事務所・飲食店など)に規定する喫煙禁止場所以外の場所において喫煙する際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。」とされ、第2項で「特定施設等の管理権原者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。」と受動喫煙防止の規定が定められました。
(2)特定施設等における喫煙の禁止等(第29条)
 「何人も正当な理由がなくて、特定施設等においては、特定施設等の区分に応じ、喫煙禁止場所で喫煙をしてはならない。」とされ、前記の配慮義務とともに、これまでの努力義務が遵守義務と厳しくなりました。
<特定施設等>
@ 第1種施設
  学校、病院、児童施設など。国、地方公共団体の行政機関の庁舎です。
A 第2種施設
 多数の者が利用する施設のうち、第1種施設及び喫煙目的施設以外の施設です。
B 喫煙目的施設
 多数の者が利用する施設のうち、その施設を利用するものに対して、喫煙する場所を提供することを主たる目的とする一定要件を満たす施設です。
(3)改正の基本的な考え方
@ 望まない受動喫煙をなくす
受動喫煙が他人に与える健康影響と、喫煙者が一定程度いる現状を踏まえ、屋内において受動喫煙にさらされることを望まない者がそのような状況に置かれることのないようにすることを基本とする。
A 受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮
  子どもなど20歳未満の者、患者等は受動喫煙による健康影響が大きいことを考慮し、こうした方々が主たる利用者となる施設や屋外について配慮徹底する。
B 施設の類型・場所ごとに対策を実施
  望まない受動喫煙をなくすという観点から、施設の類型・場所ごとに、主たる利用者の違いや、受動喫煙が他人に与える健康影響の程度に応じ、禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、掲示の義務付けなどの対策を講ずる。その際、既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者が運営するものについては、事業継続に配慮し、必要な措置※を講ずる。
 ※措置対象先は、個人または中小企業(資本金5000万円以下)で、客席面積100u以下の飲食店。標識の掲示により喫煙可として容認されます。

5.松戸市の受動喫煙防止対策

(1)公共施設内禁煙

健康影響が大きい子どもや患者等に配慮し、施設の一定場所を除き、下記の敷地内、建物内すべてが禁煙となっています(令和元年7月1日施行)。
@ 行政施設等
  松戸市役所、各支所、各市民センター、行政サービスセンターなど。
A 教育・子育て関連施設
  市立小・中・高等学校、市立保育所、こども館、新松戸未来館など。
B 福祉施設
  総合福祉会館、ふれあい22、各保健福祉・各老人福祉センターなど。
C 医療施設
  総合医療センター、東松戸病院・梨香苑。
D 会館・ホール・文化施設
  文化ホール、森のホール21、市民会館、市民劇場、市民交流会館、ゆうまつど、衛生会館、勤労会館、図書館本館、博物館など。
Eスポーツ施設
  運動公園、柿ノ木台公園、体育館、各公園庭球場、新松戸プールなど。
F 公園:21世紀の森と広場、東松戸ゆいの花公園、ユーカリ交通公園。
G 駐車場・駐輪場:松戸駅西口地下駐車場、市営駐輪場

(2)喫煙所が残る施設

 クリーンセンター内スポーツ施設、東部スポーツパーク、和名ヶ谷スポーツセンター、六実高柳老人福祉センター、東部老人福祉センター、北山会館、白井聖地公園、戸定が丘歴史公園は、指定の喫煙場所があります。


(3)罰則

 改正健康増進法により、特定施設の喫煙禁止場所で喫煙した場合、罰則規定が適用されます(第77条:改善が見られない場合30万円以下の過料)。

6.マンションにおける喫煙問題

(1)五番街集会所
 集会所使用細則で「禁煙」規定があり励行されていますが、現状は喫煙箇所が必ずしも明確ではありませんので、望まない受動喫煙防止、住民健康対策上、喫煙場所を特定し掲示する措置も必要になると思われます。

(2)五番街共用部分のベランダ
 ベランダでは「禁煙」とする規定はありませんが、専用部分および共用部分の「使用細則」において、花火が禁止されていること、近隣および他の会員等に迷惑を及ぼし、あるいは不快の念を抱かせる行為は一切できないことが規定されていて、専用庭を含め、望まない受動喫煙防止上原則禁煙と思われます。

<参考> 

平成24年12月13日 名古屋地方裁判所判決要約

マンションのベランダで喫煙を継続する行為は、他の住民に対する「不法行為を構成することがあり得る」として、使用細則で禁じていない場合でも同様とされました。なお、自室内の喫煙でも開口部や換気扇等からの煙を完全に防止することはできず、マンションの特殊性からある程度受忍すべき義務があるとされ、150万円の賠償請求に対し、諸事情を考慮し慰謝料5万円が相当と判断されています。

 愛煙家、嫌煙家ともども気持ちよく生活していけるよう、改正ルールを再認識しお互いに思いやりのある暮らしに努めたいものです。

   

<参考文献>

1. 健康増進法
2. 厚生労働省ホームページ 改正健康増進法の概要 健康日本21
3.松戸市ホームページ 公共施設禁煙