基準地価の下落に関して

2020年10月24日

      先月29日に国土交通省から7月1日現在の基準地価(都道府県が調査)が公表されました。 全国の住宅地、商業地、工業地合わせた全用途の
平均は前年比0.6%の下落で3年ぶりの下落となりました。
 主な理由としては、新型コロナの影響で外国人訪日客が大幅に減少したことで、商業地を中心にこれまでゆるやかな上昇基調にあったものが、
取引等の減少により一転して下落に転じたようです。
 基準地価は、公示地価とともに地方公共団体や民間企業の土地取引の指標として利用され、個人間の売買においても参考にされています。こ
れらの地価は、売買対策や相続対策として、参考とされますので、現状を検証し今後の動向に注視する必要があります。
 土地の価格は、立地や地域特性、形状や規模などの利用形態、法令の規制など総合的に判断して決定されますが、一方で、都市計画道路として
拡幅、延長などが行われると一般的には交通の利便性向上で需要が高まり、土地の価格は上昇します。
 新松戸地域でも、7丁目は松戸市が流山市と連携して道路ネットワーク事業を進めていますので、交流促進、アクセスの改善、安全対策や 交通・住宅
環境の充実が図られており、また、新松戸駅東側地区土地区画整理事業が推進され、高齢者施設や子育て支援センターなどが充実すれば利便性
や価値が上昇し、高齢少子化にあって若い層も住みたい街として人気が出てくるものと期待されます。

1.基準地価(基準地価格)とは

 基準地価は、都道府県が主体となって選定した基準地について、7月1日時点の、住宅地、商業地、工業地別に調査評価行し9月下旬に公表されます。
 本年は、全国21,519地点について地価が公表されました。
 全国平均は、住宅地は前年比0.7%の下落で、三大都市圏も0.3%下落しています。地方は、平均0.9%下落ですが、札幌、仙台、広島、福岡の4市は
平均3.6%上昇しています。商業地は、全国平均0.3%下落ですが、三大都市圏(東京・大阪・名古屋圏)は0.7%上昇しています。
 地方は平均0.6%下落ですが、札幌、仙台、広島、福岡の4市は、平均6.1%上昇しています。再開発計画のある札幌、福岡は上昇が続いているそうです。
 3月18日に公表された公示地価が、住宅地は3年連続、商業地は5年連続、全用途平均でも5年連続上昇となっていましたので、いかにコロナの影響が
大きかったかがわかります。
 一方、コロナが地価上昇要因となった地域もあります。通販利用の増加に伴う郊外の物流施設の需要が高まり、アクセスのよい工業地の地価が上昇し
ていて、松戸市も東京外環道の松戸インター開通で全国4位の11.1%の地価上昇となっています(1位は、空港へのアクセスのよい沖縄県豊見城市の28.9%
でした)。
 千葉県の評価基準地は、住宅地686、商業地128、工業地24で838箇所です。このほか林地が11あります。
 県内の地価は、住宅地平均で0.2%下落し、6年ぶりのマイナスとなっていますが、商業地は平均1.4%上昇、工業地も平均2.4%上昇となっています。
 ご参考までに、松戸市隣接市の価格の状況は<図表1>のとおりです。

2.公示地価(公示価格)とは

 公示地価は、地価公示法にもとづき、各地域に設定された都市計画区域内の標準地につき、土地鑑定委員会が毎年1月1日現在の価格を評価し、3月下旬
に国土交通省が公表する取引価格の指標となる価格です。2020年1月1日時点の基準地は、全国で25,992地点、千葉県は1,295地点について評価が行われ
3月18日に公表されました。
 この時点の全用途平均は、1.4%、住宅地平均0.8%、商業地3.1%の上昇となっていました。
 新松戸7丁目の標準地は、259番地の1で、2020年度の価格はu当たり167千円で、前年比0.6%上昇しています。ここは基準地価格の基準地には設定され
ていませんが、両方設定されている新松戸の住宅地の標準地は、6丁目24番地で、公示地価は、1月1日時点で200千円でしたが、基準地価は、7月1日時点
200千円(前年と同じ)で同額の横ばいとなっています。
 この状況により、7丁目の公示価格も7月1日時点で評価するとした場合、167千円と推測さ、横ばい状況にあると思われます。<図表2.3>参照。

3.路線価(相続税路線価)とは

 路線価とは、国税庁が1月1日時点で、市街地の道路(路線)に面する宅地1uあたりの評価額として、一定距離の路線ごとに評価し、7月1日に公表
します。通常は相続税路線価として、相続税や贈与税を算定するときの基準とされますので、1月から6月までに相続等が発生した場合は、この路線価
が公表されるのを待って相続税等の申告を行うことになります。
 路線価は、おおむね公示価格の80%を目安に評価されています。新松戸で検証してみますと6丁目24の路線価は160千円でしたから、公示価格の80%に、
7丁目259番地の路線価は135千円でしたから約81%になり整合しています。<図表3.4参照>。
 なお、五番街けやき通りの路線価は140千円です。

 ご案内のとおり、コロナ禍で年初の地価上昇基調から一転下落に転じ、経済活動や生活様式も変化を強いられています。
菅首相もデジタル庁設置を進め改革を行う方針を示しています。テレワークの拡大による働き方改革、物流の変化による土地需給の変化など経済政策に
注視し、不動産対策を進めていく必要があると思われます。


ご確認を!

図表


<参考文献>
1. 国土交通省ホームページ 基準地価 公示地価法
2.国税庁ホームページ 路線価図